Re17 特別篇 区切り符号/標點符號


中国語と日本語の区切り符号の違い

中文與日文的標點符號差異


色について、黒い部分は「日本語-中国語」という順番で表記された。その後の赤い例文は日本語で書かれ、青い例文は中国語で書かれた。

  本文中黑色的部分將以「日文-中文」的順序來表示。而後將以紅色的日文例句、以及藍色的中文例句作為補助説明之用。


区切り符号は、文脈をあきらかにして、文の誤読を防ぎかつ読みやすくするものであります。台湾人の書く繁体字にも、「標點符號(Biāodiǎn fúhào)」という記号があります。ただし日本語と同じように使えるものと、使い方が変わるものがあり、また日本語では一般に使わないものもあります。次に繁体字の句読点や、中点、ハイフン、コロン、感嘆符、疑問符、書名符号などの使い方、位置やルール、日本語との違いを説明していきます。

  標點符號的功能,除了可使文章的脈絡更顯清晰之外,亦可加強文意、避免造成語意混淆。日文中的標點符號,稱為「区切り符号」。其使用方式,自是和中文有所同而有所異;甚有些標點符號,是只會為中文或日文當中的其中一方所使用。本文將針對句逗號、頓號、音界號、冒號、驚嘆號、問號、以及書名號,在日文與繁體字之中的使用規則與書寫位置等等差異,來進行解説。


まず句読点から説明しようと思います。繁体字の文章は日本語の文章と比べて一般に句点をつける頻度が少なく、一つの意味の切れ目が来るまで長々と続ける形が多いことです。また、日本語では読点としては点「、」をつけますが、繁体字で読点の役割をするのは「逗號(Dòuhào)」ていう記号です。その他、日本語と繁体字は句読点の位置も違います。日本語は左下につけますが、繁体字は真ん中につけるのです。

  首先先從最常用的句逗號開始介紹起。中文文章中的句點使用頻率,比起日文而言要來的少,更多的時候,中文偏好使用逗點來隔開語句。此外,日文中的逗號稱作「読点」,書寫方式則等同於繁體字中的頓號。順帶一提,雖然中文的標點符號是寫在格子的正中間,但日文標點符號的正確寫法,則是寫在格子的左下角(若是直式書寫則在右上角)。

(日)生きていること。ああ、それは、何というやりきれない、息も絶え絶えの大事業であろうか。
(中)人生在世這是件多麼令人無法承受讓人喘不過氣來的大事業呀

**

名詞の並列の場合、日本語では中点を単語の間に用いますが、繁体字では読点と形の同じような「頓號(Dùnhào)」ていう記号を使って、並列されている単語やフレーズを示します。

  在詞語並列時,日文會使用中点(書寫形式相當於中文的音界號)隔開並列的事物。與之相對,中文則是使用頓號為之。

(日)ルソーの政治哲学―宗教・倫理・政治の三層構造
(中)盧梭的政治哲學――宗教倫理政治的三層架構

****

ちなみに、中国語の中点は、外国人名の区切りにも用います。外国の人名を表記する時、中国語ではほぼ発音に従って書かれ、そして姓と名の間に中点を付けることがあります。それに対し、日本語ではルールとして、「外国人名の区切りは『・』や『』で表記する」というものがあります。

  在表示外國人名時,中文會使用音界號來隔開姓氏與名字。日文的表記規則有些複雜:在原文中以橫線「-」表示之處,轉換成日文時須改以雙橫線「=」書寫;在原文中以空格「 」書寫之處,則是和中文一樣、使用形同音界號的「中点」表示。

(仏)Jean-Jacques Rousseau.
(日)ジャン=ジャック・ルソー
(中)尚・雅克・盧梭

***

コロンは日本語ではほとんど使わないですが、中国語では引用符の代わりに使われたり、以下に文を示す場合や上の文で述べたことをまとめる時に使われたりします。

  在中文之中,我們會使用冒號來引起下文或總結上文。但是日文中形如冒號的「コロン」,只會在書寫外國語言時使用。

(日)太宰は言った。「幸福感というものは、悲哀の川の底に沈んで、かすかに光っている砂金のようなものではないだろうか。
(中)太宰説所謂幸福感也許就是像沉在悲哀的河底隱隱發出微光的砂金之類的東西吧

******

感嘆符「!」に関して、日本語では原則として普通の文には用いませんが、中国語で感嘆文を表記する場合、文末には句点の代わりに感嘆符を用いることが多いです。
疑問符「?」に関して、日本語の場合使ったり使わなかったりすることがありますが、中国語の場合は必ず疑問符を入れるという決まりごとがありますから、疑問文の文末には必ず「?」をつけます。

  正式的日文文章中,幾乎不會使用問號或驚嘆號等帶有感情的標點符號,因此日本的問句也常使用句点作結。中文的感嘆語句,文末使用驚嘆號者占了多數;中文的疑問語句,則必定會使用問號作為結尾。

(日)お元気ですか。
(中)最近過得好嗎?

*******

最後には書名符号を説明します。日本語文では『』の中に書籍、映画タイトルなどの著作物を表しますが、繁体字中国語文では「書名號(Shūmínghào)」ていう記号を使います。

  最後説明的是書名號。中文會使用雙書名號標示書名,接著用單書名號標示篇、卷、章名。日文之中具有與之對應的功能的標點符號,則是『』(雙引號)及「」(單引號)。

(日)前の例文の出典は太宰治の長編小説『斜陽』である。
(中)前面的例句引用自太宰治的長篇小説《斜陽》

*******

日本と台湾は距離的にも民族的にも非常に近く、人の往来や経済の結びつきなどが強いです。これから繁体字中国語を使う用途は広まっており、いろいろな場面で役立つことでしょう。是非この機会に正しい区切り符号の使い方を覚えてみてはいかがでしょうか。

  日本與台灣,無論是地理距離、抑或是民族的關係往來都十分親近,近年來經濟與交通上的連結亦正在逐漸加深。想必在未來的生活中,日文的使用機會將會日益增加,因此不妨利用本文的機會,好好認識下日文標點符號的使用方法吧!


留言